2015年12月1日火曜日

海老名市議「同性愛は異常生物」の書き込みから思った事


昨日、Twitterで海老名市議が「同性愛は異常動物」と発言した事が話題になっていました。テレビなどの取材についても「酒に酔ってふざけて書いた」のようなコメントをしています。

(隣にJリーグ選手への人種差別書き込み、そして画像にはないのですがこの上にはハンセン病についての記事があったのも、日本がまだ差別的な考えを持つ人がずっとい続ける事の表れと思いました)


今週4日から人権週間が始まります。

世界人権宣言が採択された12月10日は人権デー、その日を最終日とする1週間は人権週間となっています。

第67回人権週間 啓発活動重点目標
「みんなで築こう 人権の世紀~考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心~」

そこには守るべき人権の強調事項17項目があり、その中には性的指向や性同一性障害を理由とする差別や偏見をなくそうというものもあります。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00005.html


法務省には「性的指向及び性同一性障害を理由とする偏見や差別をなくしましょう」というページもあります。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00126.html

自分と違うものや今まで考えもしなかった事に出会った時、人は戸惑う事があります。その時に自分の中に留めず差別的な発言をしたり、感情的になり書き込むという事によるトラブルが特に最近増えてきています。




ここ最近でも特にTwitterは、匿名という事で暴言や個人情報を晒す行為、差別発言などが相次いでいます。しかもただの呟きだけでなく、特定の相手に対して罵詈雑言を投げつけると言うものです。海老名市議も同性愛について書いた報道関係のアカウントに対して「異常人間の行動を正当化した報道はするな」と書くなど、結構しつこい感じでした。

法務省でも平成26年度に対応した人権侵害事件21,749件のうち、1,429件がインターネット上での人権侵害事案で、これは前年度比49.3%増で過去最高の件数となりました。その多くがプライバシー侵害と名誉毀損事案で問題となっていましたが、今年度もこうしてインターネット上で差別的な表現などが続いています。

もし目の前にその人がた場合、同じ事を口にして言えるでしょうか。匿名や別名だから何をしても大丈夫、自分からは見えているけど向こうからは見えていないような感覚に陥りがちです。

しかし、ネットは別世界のようであっても「ネットをしている事」さえも「現実」として存在しています。差別的な書き込みをすれば特定されますし、それによって信用や地位、今まで築いてきたものの失うなど、必ず償わなくてはいけなくなります。差別的な書き込みをする画面のすぐ向こうに人がいる事を消して忘れてはいけないと思いました。


そして海老名市議の発言は、本名を出し市議であると言う立場でありながら異常と言う言葉を使って同性愛について書き込みをしました。まだこんな事を考えている人がいるんだと情けなくなり、そうした考えを持つ人がもし自分の住んでいる地域で議員をしていたら、本当に悲しくなります。

差別的な考えが根底にあり、それが凝り固まって悪びれずに書き込むと言う行為に直結している人権侵害だと思いました。その後謝罪するも、何に対して悪いのかいまいち良くわかっていないような感じでした。


同性婚の法制化についての調査結果が出ましたが、女性より男性、そして年齢が上がるほど反対が増えているという結果になったので、今回の70代の男性市議の発言は、こうした結果そのままを反映しているかのように思えました。

たしかにここ最近になりやっと性的少数者について報道がされる機会が増えたので、高齢者の方が理解は難しいのは確かです。しかし市議と言う立場であれば常に時代の流れを見て、新しい情報にバージョンアップをし、いろいろな人がこの世には存在している、自分の市にもそうした人達がいるかもしれないというのが頭をよぎらなくてはいけないと思います。


かつて広辞苑で同性愛は「異常性愛」という表記がありましたが、自分がかつて知った(または知ったような気になっている)知識や情報がそのまま凍りつき、それが正しいと信じている、または疑わない事も問題なのではないでしょうか。

相手はどう思うだろうと言う「想像力」、そして今自分が否定した事象は「正しいのかと一度疑う」、そして書き込む際には酔った勢いや怒りにまかせて書かず「少し寝かせてから書く」という基本が大事です。(ここまで考えたとしても差別的なものは問題外ですが)


人権の強調事項には「HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見や差別をなくそう」とありますが、感染力が非常に低いのにも関わらず、感染する事の恐怖心から多くの差別を生み、それが今でも続いています。HIV感染を理由に解雇されたり、ハンセン病は隔離、そして断種という非人道的な事がありましたし、少し前でも宿泊を断られるという事件がありました。

本日は世界エイズデーです。これはエイズの蔓延防止と患者や感染者に対する差別や偏見の解消を目的に制定されたものです。同性愛は異常だと思っていた市議に、様々なマイノリティについてどう考えているか聴いてみたいと思いました。


市議は年齢も70歳を過ぎ、高齢者と言うと定義がいろいろありますが、人口調査などでは65歳以上を高齢者としているので、おそらく高齢者と言う位置づけになると思いますが...

人権強調事項には「高齢者を大切にする心を育てよう」というものもあります。ご本人は「まだまだ俺は若いぞ!」と言うかわかりませんが、もし自分の言動が若い頃より緩やかになった事を、若年層から「早くしろよ!」「モタモタするなよ!」と煽られたりしたらどう思うでしょうか。

ご自身の体力が衰えたり、病気や障害になった時にマイノリティの辛さを感じてからでは遅いのです。市議として活動を続けるのであれば、反省と人権についての研修をして、海老名市の中で困っていても声をあげられない人に耳を傾け、設備と制度をしっかりと整えていく事だと思います。もし職を辞してもそれで終わりというものでもないので、ぜひ学び直しをしてみてはいかがでしょうか。

あとSNSをはじめとするインターネットについての研修も必要だと思いますので、そちらもいかがでしょうか。また、海老名市にお住まいの方もこの件でセクシュアルマイノリティについて知ったと言う方がいると思うので、講座でもやってみたら良いのになと思うばかりです。


今年はLGBTで様々な動きがありましたが、現実にはまだ差別的な発言をする人も大変多くいますし、うつ病などの精神疾患への偏見も根深いです。差別や偏見などを解消していくためには、一人ひとりにしっかりと理解してもらうために発信し続ける事が大切だと改めて感じた出来事でした。


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